アメリカの新鋭メーカー、DIADEM(ダイアデム)。
前回はNOVA100(ノヴァ100)のレビューでしたが、今回は私が実際にELEVATE98(エレベート98)を試打した感想をインプレ記事として紹介していきます。
ノヴァ100がパワー系の良く飛ぶラケットでしたが、エレベート98はどういったラケットなのでしょうか?
友人にお借りし、基礎練習とゲームを行いテストしました!
【デザイン】ターコイズブルーの鮮やかなコスメ!
メインカラーはターコイズブルー、フレームサイドにブラックの配色です。
アメリカンというよりヨーロピアン?なデザインでおしゃれです^^
DIADEM ELEVATEの公式コメント
日本語の公式サイトが無く、英文に翻訳をかけただけです。
文章がいまいちですがご参考に。
Diadem Elevate FS 98は、フラッグシップシリーズの最も機動性とユーザーフレンドリーなフレームです。
このアップデートでは、安定性が向上し、プレイヤーの精度とスピンが向上しています。フレックススタビライゼーションシステム(FS)を特徴とする、高密度フォームとHMTカーボンを組み合わせたフレームに特許出願中のリブ構造を採用した最初のテクノロジー。
戦略的に配置され、優れた感触で安定した強力なフレームを作成します。Elevate FS 98は非常に機動性のある重量とバランスを備えており、プレーヤーはコートのあらゆる領域からあらゆる利点を得られます。
Diadem Elevate FS 98は、コートを制御するための精度とスピンの完璧なブレンドのために、16×20のストリングパターンも備えています。
日本では「エレベート 98」と呼ばれていますが、海外では「エレベート FS98」と呼ばれています。
良いことしか書いていなくて良く分かりませんね(笑)
ちなみに通販ページには
-
- Feel
- Comfort
- Control
と書いています。
ノヴァ100はControlがPowerに置き換わった表記なので、エレベート98はよりコントロール志向のラケットだと感じさせられます。
スペック
エレベート98のスペックです。
重量:305g
バランス:320 mm
長さ:27in / 68.58cm
フレックス(硬さ):64 RA
ストリングパターン:メイン16本/クロス20本
フレームの厚さ:21.5mmフラットビーム
グリップサイズ:1~4
ボックス形状で、重さは標準、フレックスは柔らかめ。
これだけ見るとごく普通、ボックス形状の割には扱いやすいスペックかな?といった印象です。
一番の特徴はストリングパターン。16×20なんです。
最近では減りつつあるストリングパターンです。
少し前までのボックス形状のラケットでは珍しくもない本数なのですが、
最近では16×19に変更している機種が多いです。
・ピュアコントロール→ピュアストライクに吸収された後に消える
・VコアSV98→Vコア98(2018)に変更
などの進化の過程で16×20から16×19に変更されてきたラケットが多いです。
横糸が減る事により、しっかりボールを潰す要素がやや薄れ、横糸のたわみが大きく飛びやすくなり、スピンをかける際のボールの引っ掛かりが良くなった機種が多いです。
重い打感でボールを潰していきたい肉体派プレイヤー、もしくはボールをおしていきたいプレーヤーにとっては悲しいバージョンアップをしていっている機種が多いです。
そんな中、16×20で勝負してくる機種、というだけでも他のラケットとは差別化できているのではないでしょうか。
僕の経験上、横糸が多いとボールを潰す気持ち良さ、当たりの強さ、面ブレの無さが強調されます。
これがどのようにエレベート98の性質に作用しているか、楽しみですね。
テクノロジー
テクノロジーの内容はNOVA100と同じです。
インパクトシールド
ラケットフレーム内部に特殊壁を造ることで打球時のラケットのねじれの抑制をし、正しい方向へのしなりを実現するフレーム内部設計
出典:ダイアデム-パンフレット
HMTカーボン
ラケットフレーム内に高密度のポリウレタンを充填することで、
オフセンターでのインパクト時に起きてしまうねじれをラケットフレーム内部から抑制します。
打球時の衝撃や不快な振動を緩和、パワーロスの抑制など多方面に効果を発揮。出典:ダイアデム-パンフレット
プロ仕様のカスタムラケットも、メーカーやカスタムショップによってはポリウレタンが充填されている事が多いです。
FSシステム
ラケットフレームに特殊な編み方をしたカーボンを使用、更に樹脂を使うことでインパクト時のパワーを最大化させる。
出典:ダイアデム-パンフレット
ELEVATE98で実際に打ってみた感想
ストリングはダイアデムのソルスティスパワー125が48ポンドで張ってありました。
高反発とスピン性能を売りにしている、星形多角形のポリエステルガットです。
人気が出てきていますが、個人的には弾きが早くて硬く感じるのであまりこのガットが好きではありません。
NOVA100と同じガットセッティングなので比較がしやすく嬉しいです。
グリップ形状はダンロップと大差無いように感じました。
反発性・飛び・弾き
ラケット全体の中で言うと少し飛ばないしボールも伸びないですが、ボックス形状の割には良く飛ぶな、と感じました。
ボールを押す感覚は多少必要ですが、そこまでフォロースルーで押していかなくても飛びました。
NOVA100と共通している部分なのですが、「よくわからない新感覚のボールの伸び方」をします。
NOVA100ではこれが伸びすぎに思えましたが、ELEVATE98は丁度良い、安心して打って行ける程度の伸びしろでした。
ボールスピードはボックス形状の中では出る方だと感じました。
ただ、飛ばない部類には入ります。
打球感・ホールド感
ボックス形状の割にはラケット面のたわみ、スロートのしなりを感じなかったです。
ホールド感は感じますが、
ボールを「受け止める」、というより「ぶっ潰す」感覚を強く感じました。
この潰す感触がとても気持ち良くて好きです。
潰しているのでボールをガットのたわみやフェイスのたわみで受け止めているような重い感覚はそこまでなく、練習相手のボールが軽く感じました。
横糸が20本ある恩恵だと思います。
これはクラシカルな打感か?と聞かれると、
潰し感だけで言うなら「YES」ですが、振動吸収性やねじれ防止のテクノロジーの進化のせいで良くも悪くも打感に「雑味」や「微振動」が無いのでクラシカルだとは断定できません。
スピン
正直、あまり回転をかけやすいとは思えませんでした。
フラットドライブでハードヒットしても収まります。
スピンロブも厚めに当てて丁度良いので、回転を多くかける必要性も感じません。
軟式テニスをしているような感覚で打っていっても違和感なくテニスができます。
操作性
とても操作性が良く、ボレーの準備やテイクバックが楽でした。
これは薄ラケである事と、フラットビーム(スロートから先端まで同じフレーム厚)である事も起因していると思います。
ストローク
僕はどちらかというとコンパクトスイングで回転をかけていくスイングスタイルなのですが、このラケットは飛ばないのでどんどん厚く当てて押し込んでいきたくなります。
自然と攻撃的なテニスになっていました(笑)
ボールを潰す感覚のラケットなので、弾道は自然と下がります。
引っかけて持ち上げるような打ち方だとボールは持ち上げにくいので、いつもより膝を使ってボールの下に入って持ち上げて丁度良い弾道になりました。
スライスは意外と伸びが良くて打ちやすかったです。
やや厚めに当てる、スピードのあるスライスが向いていると思います。
サーブ
コントロールしやすかったです。
一瞬伸びてからカクっと変化するので、トップスライスやスピンサーブでコースを狙いやすかったです。
左右だけでなく、長短もコントロールできるのでこれは良いと思いました。
スピードはそんなに出しやすくないですが、しっかり振って収まるという魅力があります。
ボレー
打感が素晴らしいです。
ボコボコ潰す感じで打ち返せ、面ブレもしないです。
ただ、少し真ん中を外したり押しが甘いとショートしやすいので集中していかないといけません。
ふんわり返すボレーよりも直線的な弾道のボレーが打ちやすく、
下がりながら打つ防御的なハイボレーでもボールを方向づけしやすいので思い切って打つことができました。
良い点-メリット
・操作性がとても良い
・打ち負けにくく、力強いボールを打ちやすい
・フラットドライブ系のショットが打ちやすい
悪い点-デメリット
・スピンがかけづらい
総評:インプレの評価まとめ
個人的には買おうか悩んでいます。
このラケットの持つ短所は
・スピンがかかりにくい
この2点だけだからです。
これはガットやウェイトのセッティングで補えるかもしれないので、これさえクリアできれば最高のラケットとも言えます。
特に打感が気に入りました。
まるで18×20のような潰し感のある力強い打感を味わえる。
その割には手に重みを感じない。
低い球を持ち上げるストロークの時、脚はしんどかったけど
セッティング次第では弾道を上げやすく改善できる可能性を感じたので個人的には好きなラケットです。
ハードだけど腕にやさしい!っていう印象でした。
他のレビュワーのインプレ動画
この動画でも、潰して飛ばしやすいと語られていますね。
【比較】エレベート98と他のラケットの違い
薄ラケの似たスペックのラケットを中心にセレクトし、最後に同メーカーのテニスラケットを比較した内容を記載します。
ウィルソン ブレード98 16×19 V7.0(2020)との比較
重量、バランス、フェイスサイズが同じです。
ブレードの方が0.5mm薄いだけです。
・ブレードの方が打感がマイルドでホールド感が強い分、少し打感が重く感じます。
・潰し感と飛びは同じくらい。
・ホールド感がある分、ブレードの方が持ち上げやすく感じます。
ブレード98の方がややハードヒッター向けです!
バボラ ピュアストライク98 16×19との比較
重量、バランス、フェイスサイズが同じですが、完全なボックス形状ではなくややラウンドがかっています。
RA値が70なので、エレベート98よりもフレームが硬いです。
・エレベート98はボールを潰す、ピュアストライク98はガットがたわんでホールドする感覚
・ピュアストライク98の方が少し飛ぶ
・ピュアストライク98の方がスピンをかけやすい
エレベート98とは少しキャラクターが違うラケットかも
ダンロップ CX200との比較
フェイスサイズと重量は同じですが、CX200はバランスが315mmなのでエレベート98よりも5mm手元に重量があります。
・CX200の方が弾道が上がる
・エレベート98の方が打ち負けにくく、潰し感がある。
ヨネックス ブイコアプロ97との比較
Vコア プロ 97
ブイコアプロ97は重量が310g、バランスが310mmです。
エレベート98よりも5g重く、バランスが10mm手元に寄っています。
・ブイコアプロ97の方が良く飛ぶ
・ブイコアプロ97の方がボールを押しやすいが、ヘッドを走らせにくい
ブイコアプロ97の方がパワフルでハード!
ダイアデム ノヴァ100との比較
ノヴァ100は同じメーカー、ダイアデムのテニスラケットです。
・エレベート98の方が打ち負けにくい
ELEVATE98に合うガットとテンションは?
高校生や大学生のハードヒッターの場合
ポリエステルガットで1.25mmの物をおすすめします。
・ホールド感を求めるなら ルキシロン アルパワーラフ125
まずは50ポンドをおすすめします。
一般男性プレーヤーの場合
反発性とホールド感のあるポリエステルガットを緩めに張るのがオススメです。
このあたりがおすすめです。
テンションはまずは45で張ってみるのをおすすめします。
一般女性プレーヤーの場合
楽に飛ばせるよう、ホールド感のあるナイロンマルチフィラメントのガットを細ゲージ(1.25mm)で張る事をおすすめします。
・テクニファイバー XR3 125
・テクニファイバー TGV 125
女性でもフラット系プレーヤーなら上手くハマるかもしれません。
テンションはまずは47で張ってみるのが良いと思います。
僕ならRPMブラストラフ125を42ポンドですね!ボールを持ち上げやすくしていきたいです。
どんなプレイヤーにおすすめ?
・打ち込みたいけど腕にズシッと来すぎるのは嫌な人
・弾道を上げたくない人
・ボールに打ち負けたくない人
試打できる取り扱い店はどこ?
まだまだ取扱店は少ないですが、全国のウインザーで試打ができます。
ヒマラヤも店舗によってはお取り扱いがあります。
小規模のこだわりを持ったテニスショップやテニススクールでも取り扱いを始めているので、お近くの店舗に電話をかけてみることをオススメします。
エレベート98(2020)の最安値を探そう!
DIADEM ELEVATE98
楽天だとガットが無料でついてくるショップが多いよ!
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