テニス界に伝説の名を残す「プレステージ」シリーズ。その最新モデル「HEAD PRESTIGE TOUR」を手にした時、私の胸を高鳴らせたのは、単なる新作への期待ではなく、伝統と革新が織りなす未知の体験への好奇心だった。果たして、このラケットは黄金時代の名に恥じないパフォーマンスを発揮するのか? 実際の試打を通して、その魅力と真実に迫っていく。
HEAD PRESTIGE TOUR スペック
- フェイスサイズ:95平方インチ
- 重量:315g
- バランス:315mm
- フレーム厚:22mm
- ストリングパターン:16×19
打球感・タッチ
プレステージTOURの打球感は、一言で言えば「進化した伝統」。従来のプレステージシリーズ特有のしっかりとした打感はそのままに、オーセチック2.0テクノロジーによる弾性と振動吸収性が加わり、よりマイルドで快適な打撃感を実現している。ボールを捉えた瞬間、フレーム全体がしなり、心地よい衝撃と共に力強い推進力を生み出す。
反発、飛び
重量315g、厚さ22mmのスペックから想像されるよりも、ボールの飛びは抑えられている印象だ。しかし、しっかりと振り抜けば、ボールは重厚な弧を描いて力強く飛び出す。スピン性能も高く、コントロールショットも思いのまま。
ストローク
ストロークにおいては、プレステージTOURの真骨頂が発揮される。しっかりとした打感と高いスピン性能が、ボールに強烈な回転とパワーを与え、相手コートに深く沈み込むようなショットを可能にする。特に、スピン系ストロークは武器になり、相手を翻弄するような多彩なショットを打つことができる。
ボレー、スマッシュ、ネットプレー
ボレーやスマッシュにおいても、プレステージTOURの安定感は光る。しっかりとしたフレームと重量により、ボールをしっかりと捉え、安定感のあるショットを打つことができる。ネットプレーでは、優れた操作性により、素早い動きと正確なショットを実現する。
サーブ
サーブにおいては、重量と厚さによるパワーが威力を発揮する。フラットサーブは力強く、スピンサーブは鋭く曲がり、相手を圧倒するようなサーブを打つことができる。
操作性、振り抜き
重量315gと決して軽いラケットではないが、オーセチック2.0テクノロジーによる振動吸収性と優れたバランスにより、振り抜きは非常にスムーズ。操作性も高く、思い通りのショットを打ちやすい。
長所、メリット
- しっかりとした打感と高いスピン性能
- 重厚なパワーと安定感
- 優れた操作性と振り抜き
短所、デメリット
- 315gと重量があり、人によっては扱いづらいと感じる可能性がある
- 飛びが抑えられているため、パワー不足を感じる人もいるかもしれない
同メーカーラケットとの比較
HEAD GRAVITY TOUR
GRAVITY TOURは、プレステージTOURよりも軽量で扱いやすく、より攻撃的なプレースタイルに向いている。
HEAD SPEED MP
SPEED MPは、プレステージTOURよりも飛びが良く、初心者から中級者におすすめのラケット。
ライバルラケットとの比較
Wilson Blade 98 V8
Blade 98 V8は、プレステージTOURと同様に、スピン性能と操作性に優れたラケット。しかし、Blade 98 V8の方がより軽量で扱いやすい。
Babolat Pure Aero VS
Pure Aero VSは、プレステージTOURよりも飛びが良く、パワーヒッターにおすすめのラケット。
おすすめストリング
HEAD Hawk タッチ 16L
今回試打に使用したHawk タッチ 16Lは、プレステージTOURの性能を最大限に引き出すガット。スピン性能とコントロール性を向上させる。
Babolat RPM Blast
RPM Blastは、よりスピン性能を高めたい人におすすめのガット。
おすすめプレーヤー
- 中級者~上級者
- スピン重視のプレースタイル
- しっかりとした打感と安定感のあるラケットを求める人
まとめ
HEAD PRESTIGE TOURは、伝統と革新が融合した、まさに現代版プレステージ。スピン性能と操作性に優れ、中級者~上級者におすすめの一本だ。しっかりとした打感と重厚なパワーを操り、相手を圧倒するようなプレーをしたい人におすすめ。
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